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第6章

BeOSのカスタマイズ


 BeOSに含まれるいくつかのアプリケーションは、BeOSの外観と操作性を変更することができます。この章では、これらのアプリケーションをどのように設定するかと、フォントのインストール、ドライバーのインストール、「Add-Ons」について解説します。

 プリンターを接続するには第三章の「プリンターを指定する」を参照して下さい。

 この章では以下の項目を解説します。

「Boot」アプリケーションを使う


 「Boot」アプリケーションは2つ以上のパーティションにBeOSをインストールしている時に使います。

 起動ディスクを変更したい時は、ブートアプリケーションを起動します。接続されているハードディクのリストを表示します。接続されているハードディスクの名前をクリックすることで起動の初期設定を変更することができます。現在、選択されているハードディスクにマークが表示されます。

 ポップアップメニューから「Expert」を選択することによってオプションを選択することができます。「Expert」モードではSCSIまたはIDEのドライブの全てを選択することができます。

 SCSIを選択したときは、内蔵のドライブのみが有効になります。もし、2つ以上のSCSIドライブが接続されているときは、内蔵のSCSI番号を0番に設定しておいて下さい。

「Drive Setup」を使う



Caution:「Drive Setup」を使用するとデータを失う可能性があります。データのバックアップを取り、十分Cautionしてから行なって下さい。

 「Tracker」の「Disks window」のファイルメニューから自由にボリュームのマウント/アンマウントを行なうことができます。マウントするとボリュームの内容をBeOSから使用することができるようになります。アンマウントはその逆です。フロッピーディスクや、そのほかのリムーバルメディアはイジェクトする前に必ずアンマウントして下さい。

マウントの設定

 「Tracker」の「Disks window」にはハードディスクやリムーバルメディアの自動マウントなどの「Mount Settings」ダイアログが含まれます。その中で、起動時にマウントするなどの設定も行えます。

自動的にディスクをマウントする

 「Automatic Disk Mounting」では、BeOS起動後に挿入あるいは接続されたボリュームを自動的にマウントするかどうかを設定できます。3つのオプションがあります。

起動時のディスクマウント設定

 「Disk mounting during boot」 では起動時にボリュームをマウントするかどうかを設定できます。3つのオプションがあります。

サポートするドライブ

 「Drive Setup application」ではBeOSがサポートするドライブに関して 、マウント、アンマウント、フォーマット、パーティション作成、イジェクト、イニシャライズを行なうことができます。

 重要事項

「Drive Setup」の機能

 ドライブのマウント、アンマウント、フォーマット、パーティション、イジェクト、イニシャライズを行なうときは、「Drive Setup」を起動して下さい。

 「Drive Setup」では、使用可能なドライブが表示されます。上記のウィンドウにはフロッピードライブ、ハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、リムーバブルSCSIドライブの4つのドライブが接続されているのが分かります。複数のボリュームに分割されたドライブの横には、小さな三角形が表示されます。三角形をクリックすると全てのボリュームを見ることができます。

 「Drive Setup」の各項目については下記を参照して下さい。

項目 内容
Device コンピューターにマウント可能なSCSI、IDE、フロッピーディスク、CD-ROM、ハードディスク、リムーバブルSCSIデバイスを表示します
Map Style マップ形式を表示します。現時点でBeOSはAppleとIntelの2つのタイプをサポートしています。これら以外のパーティションマップを拡張するためのモジュールはデベロッパーが開発する予定です
Partition Type ボリューム上のパーティションタイプを表示します。BeOSはBe、Macintosh HFS、ISO9600、ofsを認識できます
File System それぞれのファイルシステムを表示します
Volume Name ボリューム名を表示します
Mounted At ボリュームのマウント先を表示します
Size ボリュームのサイズを表示します

ボリュームのマウント

 「マウント」とは簡単にいうと、デスクトップ上の「Disks」フォルダーに表示することです。 「Disks」のウィンドウファイルからもマウントすることも可能です。

 「Drive Setup」でマウントする

  1. 「Drive Setup」を起動する。

  2. マウントしたいデバイスを選択する。

  3. マウントメニューを選択する。マウスのボタンを押し続ける、または[Command]+[Contorol]キーを押しながらクリックすることでプルダウンメニューを呼び出すこともできます。

全てのボリューム、あるいは特定の形式のボリュームのみをマウントする設定が選択できます。

ボリュームのアンマウント

 「アンマウント」とはドライブやボリュームを「Disks」フォルダーから見えなくすることです。ボリュームをアンマウントするには:

  1. 「Drive Setup」を起動する。

  2. アンマウントしたデバイスを選択する。

  3. アンマウントのメニューを選択する。

 全てのボリュームをアンマウントすることもできます。

ディスクのフォーマット


Caution:ディスクをフォーマットすると、ディスク上のデータは全て失われます。必ず残しておきたいデータをバックアップをしてからフォーマットして下さい。

 フォーマットは時間がかかります。フォーマットはイニシャライズに失敗した時だけ行なって下さい。

 ディスクをフォーマットするには:

  1. 「Drive Setup」を起動する。

  2. フォーマットしたいディスクを選択し、必要があればアンマウントして下さい。

  3. 「Setup menu」からフォーマットを選択する。

     警告ダイアログが表示されますので、本当にフォーマットするときには「Format」をクリックして下さい。

ディスクにパーティションを作成する


Caution:ディスクにパーティションを作成すると、ディスク上のデータは全て失われます。必ず残しておきたいデータをバックアップをしてからパーティションを作成して下さい。

 「Drive Setup」で複数のパーティションを作成することができます(容量が小さすぎるフロッピーディスクや読み込みのみのCD-ROMを除く)。BeOS用とMac OS用にハードディスクを二分割すると便利です。

 パーティションを作成するには:

  1. 「Drive Setup」を起動する。

  2. イニシャライズしたディスクを選択し、必要があればアンマウントする。

  3. 「Setup menu」から「Partition」を選択する。

 ポップアップメニューでパーティションをアップル形式にするか、Intel形式にするか選択できます。 どのコンピューターとドライブを共有するかを考えて設定して下さい。

Apple形式のパーティションを作成する

 Apple形式のパーティションを作成する場合、既存の設定を使用するか手動で設定することが可能です。

 ポップアップメニューから既存の設定を選択することができます。あらかじめ用意されているコンフィギュレーションを選択してパーティションの名前、タイプ、サイズを変更することができます。

 パーティション名やタイプを変更するとき、テキストボックスにコメントを付けることができます。


Caution:パーティションタイプは、ポップアップメニューから1つだけ選択して下さい。そうしないとBeOSあるいはMac OSから認識できなくなります。

 パーティションサイズを変更するには、スライドバーを右にずらすして増加、左にスライドして減少させることができます。サイズを変更した場合、「Update」をクリックして全体のサイズを確認して下さい。

 パーティションを追加したり削除したりするにはウィンドウ下の「Add」と「Remove」ボタンで行えます。

 パーティションの設定が完了したら、「OK」をクリックして下さい。データが全て失われるというWarningダイアログが表示されますので、用意が整っているときのみ「Continue」ボタンをクリックして下さい。

Intel形式のパーティションを作成する

 Intelタイプを選択した場合、1つのディスクにつき最高4つまでのパーティションを作成できます。

 ポップアップメニューから既存の設定を選択することもでき、タイプとサイズを変更することができます。「 Drive Setup」は6種類のIntelタイプのパーティションをサポートしていますので、ポップアップメニューの「Type」から選択して下さい。「DOS Large」か「BeOS」を選択するとよいでしょう。

 パーティション名やタイプを変更するときには、テキストボックスに情報を書き込んで下さい。


Caution:パーティションタイプは、ポップアップメニューから1つだけ選択して下さい。BeOSあるいはWindowsなどのIntel系のハードから認識できなくなります。

 パーティションサイズを変更するには、スライドバーを右にずらすして増加、左にスライドして減少させることができます。サイズを変更した場合、「Update」をクリックして全体のサイズを確認して下さい。

 パーティションを追加したり削除したりするにはウィンドウ下の「Add」と「Remove」ボタンで行えます。

 パーティションの設定が完了したら、「OK」をクリックして下さい。データが全て失われるというWarningダイアログが表示されますので、用意が整っているときのみ「Continue」ボタンをクリックして下さい。

ディスクのイニシャライズ

 ディスクのイニシャライズとはMac HFS、DOS、BeOSなどのファイルフォーマットのデータを保存する用意をすることです。まずBe用のデータを書き込む前にBe用にイニシャライズしなくてはなりません。

ディスクをイニシャライズするには:

  1. 「Drive Setup」を起動する。

  2. ディスクやボリュームを選択して、必要があればアンマウントしてちょ。

  3. 「Setup」メニューからイニシャライズを選択します。

  4. Be File System、Mac HFS、ISO 9660、 Old Be File Systemの4つのイニシャライズが可能です。

     ボリューム名とシステムブロックサイズのダイアログが表示されます。初期設定では1024に設定されていますが、ほとんどの場合はこれで大丈夫です。もし大きなファイルを数個だけ書き込むなら、このサイズを大きくしたほうがよいでしょう。

ファイルタイプについて

 BeOSはインターネット標準の「MIME」をファイルタイプに使用します。このファイルタイプとはシステムと「Tracker」がどのようにファイルを扱うかに関係します。 例えば、ダブルクリックしたときにそのファイルのファイルタイプによってどのアプリケーションが起動するかに関わります。BeOSではファイルタイプやファイルの属性アプリケーションを変更することができます。

「FileType」アプリケーションを使う

 ファイルタイプを変更する簡単な方法は、システム標準の「File Type Tracker Add-On」を使用する方法です。以下のようにしてファイルタイプを変更します:

  1. アプリケーションに関連させたいファイルを選択します。

  2. そのファイルを選択して「Add-Ons」の中の「FileType」を選択します。

     「File Type Add-Ons」のダイアログには「File type」と「Preferred application」の2つのセクションがあります。

 「File type」セクションではファイルの「signature」を選びます(この場合は「MIME」タイプです)。ファイルタイプの選択には3つのオプションがあります:

 「Preferred application」セクションで変更したファイルを特定のアプリケーションに関連付けることができます。それには3つの方法があります:

ファイルタイプを変更する

 「File Type Add-Ons」は個々のファイルに対して有効です。特定のアプリケーションのファイルタイプを持つファイルについては、「File Type」アプリケーションで「MIME」タイプや「Attribute」、「File Extensions」、アイコンの変更ができます。

 一番上のセクションにはシステムが認識しているアプリケーションがリスト表示されます。新たにアプリケーションをインストールした場合、新しいファイルタイプがシステムとこのリストに加えられます。

 ファイルタイプはアプリケーション、オーディオ、イメージ、テキスト、ビデオなどにジャンル分けされます。下の画面はパーソナルファイルタイプを示しています。新たにアプリケーションをインストールした場合、システムは自動的にファイルタイプをリストに加えますが、ユーザーが自分でリストに加えたり削除したりすることも可能です。

 特殊なファイルタイプは特殊なアイコンで表されています。

 「Preferred application」セクションは特殊なファイルタイプに優先的なアプリケーションを設定する点以外は、「File Type」の「Add-Ons」と同じ働きをします。

 「Extra Attributes」セクションはファイルタイプが関連される属性を追加します。上の画面では「Person」ファイルタイプに「contact name, company, etc.」などの追加属性が加えられているのがわかります。属性の追加/削除ができ、「Tracker」がアップデートされたリストを表示します。

 「File Extensions」セクションでは、ほかのプラットフォームでよく使われるファイルタイプの「File extensions」を表示します。拡張子を付けることで、ほかのプラットフォームにファイルを移動した際に、簡単にファイルを認識させることができます。

アプリケーションに対し「FileType」を使う

 デベロッパーは「File Type」アプリケーションを使って、アプリケーションにどんな動作をさせるか設定することができます。デベロッパー関連の事項ですので、ここでは言及しません。

「FontPanel」を使う


 「Font Panel」アプリケーションでシステム標準のフォントとフォントキャッシュのサイズを変更できます。システムフォントには、Plain、Bold、fixed-spacedの3つのスタイルがあります。フォント、フォントサイズ、スタイルなどを以下のカテゴリーの中から選択できます。

 「Font Panel」アプリケーションはアプリケーションやBeOSのダイアログの表示を「Menu」アプリケーションと連動してカスタマイズします(詳しくは「『Menu』の設定」を参照して下さい)。「Font Panel」はテイストを含んだダイアログやアプリケーションをカスタマイズします。

 変更する場合は、フォント、スタイル、サイズを選択して「Apply」ボタンをクリックして下さい。

 「Screen Font Cache Size」はビットマップフォントをどれくらいメモリーに蓄えておくかを決定します。このキャッシュサイズを大きくすれば、画面の際描画が速くなりますが、アプリケーションに割り当てられるメモリーの量は減ります。

 「Printing Font Cache Size」はどれくらいのメモリーをプリントアウト用のフォントに割り当てるかを決定します。このキャッシュサイズを大きくすれば、印刷が速くなりますが、アプリケーションに割り当てられるメモリーの量は減ります。この「Printer Font Cache」は「HP LaserJet互換プリンター」で印刷するときのみ有効です。

「Keyboard」の設定


 キーボードのキーを押すと、文字が表示されます。キーを押すとBeOSは少し遅れてから文字を繰り返し入力します。例えば、キーを押し続けると最初の1文字目が入力されて少したってから繰り返し入力されるような状態です。この入力の遅れ具合を「Keyboard」アプリケーションで設定できます。

 始めて「Keyboard」を起動したときは、「Revert」をクリックして設定をクリアして下さい。「Defaults」をクリックするとBeOSをインストールした際の設定に戻ります。

「Keymap」アプリケーションを使う


 「Keymap」アプリケーションは現在のキーボード配列を表示します。「System」キーボード配列あるいは、ユーザーのキーボード配列が選択できます。[Shift]、[Option]、[Control]キーなどを押すと、それらのキーを押しながら入力できるキーボード配列を表示します。

 違うフォントの文字を違うキーに割り当てる。「Font」メニューから、フォントごとのキーボード配列を選択することができます。ほとんど使用しない特殊文字見るのに便利です。

 キーボード配列を違う言語やキーボードの種類に合わせて変更することができます。BeOSはあらかじめ、いくつかのキーボード配列を用意しています。ユーザーオリジナルのキーボード配列も作成できます:

  1. ユーザーあるいはシステムキーボード配列を選択する

  2. ファイルを選択して、「Save as」で新しいキーボード配列の名前を入力します。

  3. キーボード配列がセーブされたのを確認して下さい。「file:///boot/home/config/settings/keymap.

  4. 新しいキーボード配列を「Keymap」のウィンドウで選択」して「Use」をクリックします。

 新しいキーマップはユーザーリストに表示されます。キーボード配列をカスタマイズするには、変更したい文字をマウスのセカンドボタンを押しながらキー上にドラッグ&ドロップして下さい。「Font Display」からマウスのセカンドボタンを押しながらキー上にドラッグ&ドロップすることも可能です。

 それぞれのキーは、1つのキーあるいは[Shift]、[Option]、[Control]キーや、これらの組み合わせで得られる9種類の文字を設定できます。

 マウスの3番目のボタンをクリックしながら、文字をドラッグ&ドロップすると、そのキーに割り当てられていた9種類の文字全てをほかのキーの割り当てることができます。

 基本的なシステムのキーマップを選択すれば、いつでもキーボード配列をもとに戻すことができます。

「Menu」の設定


 「 Menu」アプリケーションで、BeOSのメニューの色や表示を変更することができます。また「Menu」アプリケーションでBeOSのメニューがどのように作用するかを変更することができます。「Menu」アプリケーションを起動するとメニューバーのようなコントロールウィンドウが表示されます。このメニューを変更することで、メニューをカスタマイズすることができます。

 メニューで使用するフォントとフォントサイズを変更できます。ここでの変更はすぐにメニューウィンドウに反映されます。

 「Click to Open」をチェックすると、クリックでメニュー、サブメニューをプルダウンのまま固定できます。

 「Always Show Triggers」をチェックするとメニューにトリガーが表示されます。このトリガーはメニューをプルダウンしている間にキーボードから入力できるショートカットのようなものです。

 「Color Scheme」でメニューの色が変更できます。8ビットカラーを使用している場合はカラーパネルをクリック、32ビットカラーで使用している場合は赤、緑、青のスライダーを動かしてメニューの色を変えることができます。8ビット、32ビットカラーの設定につてはこの章の「『Screen』と『Workspace』の設定」を参照して下さい。

 サブメニュー「Separator Style」でメニューの区切り線を設定できます。

 「Revert」をクリックすると「Menu」アプリケーションを開いたときの状態に戻せます。「Defaults」をクリックするとBeOSの初期設定の状態に戻ります。

 「Menu」の設定で設定した項目は、BeOSを再起動した後に有効になります。

「Mouse」の設定


 「Mouse」アプリケーションでBeOSでのマウスの働きを設定します。1ボタン、2ボタン、3ボタンのマウスが使用できます。また、どのボタンを1番目、2番目、3番目のボタンに設定するかも自由です。マウスボタンの役割については第2章の「マウスを使う」を参照して下さい。ダブルクリックの間隔を設定できます。マウスを動かしたときのカーソルの移動の速度が設定できます。

「Mouse」アプリケーションを起動すると「Mouse」ウィンドウが開きます。


Note:1ボタンマウスを使用している場合、[Command]+[Control]キーを押しながらクリックすることで2番目のボタンを、[Option]+[Control]キーを押しながらクリックすることで3番目のボタンをエミュレートすることができます。

「NetWork」の設定


 コンピューターのネットワーク設定については「Beでインターネットに接続する」を参照して下さい。

「Screen」と「Workspace」の設定


 「Screen」と「Workspaces」アプリケーションを同時に使用することでモニターの設定を変更することができます。BeOSは640×480ピクセルを表示可能なグラフィックカードとモニターで動作します。8ビットカラーと60.1Hzのリフレッシュレートを必要としますが、より多くの色や高解像度表示が可能であれば、「Screen」アプリケーションで変更することができます。

 BeOS対応のグラフィックカードについてはBeのWebサイト(http://www.be.com)で確認して下さい。

 「Screen」アプリケーションを起動すると「Screen」ウィンドウが開きます。

 ポップアップリストやスライダーを操作して変更するとダイアログが表示されるので、よい場合は「OK」をクリックして決定します。リフレッシュレートはキーボードの左右の矢印キーを押すことでも操作することができます。一番よく見える位置を探して下さい。


Caution:モニターがサポートしていない解像度や色数、リフレッシュレートを選択すると、モニターが火を吹く可能性があります。モニターやグラフィックカードのユーザーズガイドをよく読んでから設定して下さい。

 もしモニターやグラフィックカードがサポートしていない設定をすると、一時的に何も映らない状態になりますが、数秒間で元の状態に戻ります。

 「Screen」メニューの「Confirm Changes」をチェックしないと、設定変更した場合にいちいち「OK」をクリックする必要がありません。この設定にするとモニターに何も映らない状態になった場合、キーボードのショートカットで元に戻すことができます。[Command]+[D]キーで初期状態の解像度に、[Command]+[R]キーで初期状態のリフレッシュレートに戻せます。最悪の場合、[Command]+[Control]+[Shift]キーと「F12」キーを押すと、デスクトップカラー以外の項目を初期状態に戻すことができます。最後のショートカットは「Screen」アプリケーションが起動していない場合でも有効です。

 モニターがサポートしていない超高解像度を選択した場合、Warningダイアログが表示されます。もし、使用しているグラフィックカードやモニターが超高解像度、ハイカラー、リフレッシュレートをサポートしている場合には、「Confirm High Resolution」のチェックを外して下さい。

 解像度や色数はアクティブになっている「Workspace」のみで有効です。複数の「Workspace」で作業している場合には、それぞれの「Workspace」ごとに別々の設定することができます。「Workspace」については「ワークスペースについて」を参照して下さい。

スクリーンの大きさと位置を調節する

 「Screen」ウィンドウがアクティブになっている場合、モニター上のスクリーンの大きさは[Shift]キーと上下の矢印キーで調節できます。スクリーンの位置は[Control]キーと4方向の矢印キーで調節できます。初期状態の大きさと位置に戻すには「Screen」アプリケーションのメニューから「Default Position」を選択して下さい。

「Desktop Color」の設定

 デスクトップカラーは初期状態では青ですが、ユーザーが好きな色を設定できます。

 8ビットカラーで使用しているときは「Screen」ウィンドウの下の部分に256色のパレットが表示されます。

 32ビットカラーで使用しているときは「Screen」ウィンドウの下の部分に赤、緑、青のスライダーが表示されます。

 「Workspaces」アプリケーションと同時に使用することで「Workspace」ごとに別々のデスクトップカラーを設定できます。詳しくは「ワークスペースについて」を参照して下さい。

ワークスペースについて


 最初にBeOSを起動したときには、1つのワークスペース(ウィンドウなどを開いて作業できるデスクトップ)が用意されています。BeOSでは、「Workspace」アプリケーションを通じて、9つの仮想モニターをサポートしています。「Workspace」アプリケーションの9つのパネルは、ミニチュアサイズのそれぞれのデスクトップを表しています。それ9つのデスクトップには、それぞれに別々の解像度、リフレッシュレート、色数、デスクトップカラーを設定できます。アプリケーションは別のワークスペース上で動作することも可能でうす。

「Workspaces」の設定

 ワークスペースの使い方の例として、グラフィックアプリケーションなどで8ビットと32ビットでのグラフィックの見え方の違いなどを見るときに便利です。8ビットと32ビットのワークスペース間でグラフィックを移動すれば、簡単にその見え方の違いを確認することができます。

 ワースクペースをカスタマイズするには「Screen」アプリケーションと同時に使用します。ワースクペースごとに別々の解像度、色数、デスクトップカラーが設定できます。必要な数のワースクペースの設定して下さい。

「Workspace」を使う

 ワースクペースを切り替えるには「Workspace」アプリケーションのパネルをクリックします。[Command]キーとファンクションキーを同時に押すことでワースクペースを切り替えることもできます(左上から右に向かって順番に、F1、F2、F3、と続きます)。使用しているワースクペースをアクティブワークスペースと呼びます。

 別々のワークスペースでアプリケーションで作業するには、いくつかの方法があります:

 「Tracker」は全てのワークスペースで起動しているアプリケーションをトラックします。「Tracker」を通じてアプリケーションを呼び出すと、そのアプリケーションが起動してるワークスペースに移動します。

「Scroll Bar」の設定


 BeOSでプロポーショナルスクロールバーを使用します。詳しくは「BeOSの基本」の「ウィンドウをスクロールする」を参照して下さい。プロポーショナルスクロールバーが気に入らない場合は、「ScrollBar」アプリケーションで固定サイズのスクロールノブに設定することもできます。

 「arrow style」、「 knob style」、「knob type」を自由に設定できます。緑色の矢印をドラッグすると、スクロールノブを最小サイズを設定できます。「Defaults」をクリックするとBeOSがインストールされた状態に戻せます。「ScrollBar」での設定は次にウィンドウを開いたときに有効になります。

プリンターの選択


 詳しくは第3章の「Beアプリケーションの基本」の「BeOSでプリントする」を参照して下さい。

「Sound」の設定


 「Sound」アプリケーションで入力/出力ソース、ボリュームなどを設定できます。

 「Sound」アプリケーションを起動すると、「Sound」ウィンドウが開きます。それぞれの関係が表示されます。

 「Input Sources」のラジオボタンで以下の入力ソースが選択できます:

 「Loopback」をチェックすると、入力ソースからの音がシステムと内蔵スピーカー(ヘッドフォンジャック)に入力されます。

 「Gain」スライダーはマシンに入力されるレベルを調節します。右チャンネルと左チャンネルがあり、マウスのセカンドボタンを押しながら調節すると左右別々に調節できます。左右別々に調節するときは、左右のスライダーを動かして下さい。

 「DAC」スライダーはヘッドフォンジャックに出力されるレベルを調節します。同様に左右チャンネルが独立して調節できます。

 「Speaker」スライダーは内蔵スピーカーの音量を調節します。

「Time」の設定


 コンピューターの電源が入っていないときも時計の時間は保たれます。日付と時間は「Time」アプリケーションで設定します。「Time」を起動すると、現在設定してある日付と時間が表示されます。修整したい日付や時間の場所をクリックして正しい日付と時間を入力して下さい。クリックしたときに表示される小さい矢印で設定するか、直接数値を入力することも可能です。変更された項目はすぐに反映されます。

「Virtual Memory」の設定


 「Virtual Memory」アプリケーションで、ハードディスクを仮想記憶領域として使用することができます。ウィンドウに搭載されているRAM(物理メモリー)と使用可能なハードディスク容量(スワップ領域)が表示されます。仮想記憶領域を増減させるには、緑色の三角形を左右にスライドさせて下さい。

フォントを追加する


 BeOSはTrueTypeフォントをディスクプレーの表示する、TrueTypeフォントレンダラーを内蔵しています。BeOSの基本フォントはfile://boot//beos/system/fonts/ttfontsフォルダーに入っています。このフォントはシステムが使用しますので変更しないで下さい。

 PC用(Macintosh用は不可)のTrueTypeフォントを購入するかダウンロードして、BeOSに追加することができます。追加したTrueTypeフォントは「StyledEdit」や「FontDemo」などで使用できます。ほとんどのTrueTypeフォントはBeOSで使用可能ですが、なかには使用できないTrueTypeフォントもあります。

  1. TrueTypeフォントをBeOSのハードディスクのfile://boot/ /home/config/fonts/ttfontsフォルダーの中に入れる。

  2. そのTrueTypeフォントが「.ttf」の拡張子が付いていることを確認して下さい。

  3. BeOSを再起動する

「Add-Ons」を追加する

 アプリケーションやシステムに機能を追加するソフトウェアをBeOSに追加することができます。そのソフトウェアを「Add-Ons」と呼びます。BeOSの「Add-Ons」はfile:///boot/beos/system/add-onsフォルダーの中に入っていますが、変更しないで下さい。ユーザーが変更できる「Add-Ons」はfile:///boot/home/config/add-onsフォルダーの中に入っています。「Add-Ons」はシステム内のapp_server、Drive Setup、kernel、net_server、Print、Raster、Trackerなどに作用します。アプリケーションのものも同様です。

 「Add-Ons」を追加するのは簡単です。起動ディスク内のfile:///boot/home/config/add-onsフォルダーに入れるだけです。「Tracker」用の「Add-Ons」は「Tracker」フォルダーの中に入れて下さい。アプリケーション用の「Add-Ons」は、そのアプリケーションの「Add-Ons」フォルダー内に入れて下さい。追加する「Add-Ons」のREADMEをよく読んで、正しい名称とインストールする場所を確認して下さい。

ドライバーを追加する


 ソフトウェアを追加することによって、新しいデバイスを使用することができます。このソフトウェアを「ドライバー」と呼びます。BeOSにはグラフィックカードドライバーや、それ以外のドライバーが組み込まれています。基本的なBeOSのドライバーは「file:///boot/beos/system/add-ons/kernel」と「file:///boot/beos/system/add-ons/app_server」フォルダーの中に入っていますが、これらに変更しないで下さい。


Warning:/system/add-ons/app_server folderフォルダー内の「supervga」ファイルを、書き換えたり、名前を変えたり、移動したりしないで下さい。BeOSが起動しなくなります。

 グラフィックドライバーを追加する時はfile:///boot/home/config/add-ons/app_serverフォルダーにコピーしてからBeOSを再起動して下さい。

 それ以外ののドライバーを追加するときはfile:///boot/home/config/add-ons/kernel フォルダーにコピーしてBeOSを再起動して下さい。



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